バスフィリップ|ブルゴーニュワインファンを魅了するオーストラリアワイン

こんにちは。ソムリエ・エクセレンス池田ひろ美です。

4月中旬、私はオーストラリア・ヴィクトリア州のワイナリーへいくつか訪問してきました。

本日はその中で最初に伺ったワイナリー”バス フィリップ”をご紹介します。

バスフィリップはブルゴーニュワインの神様とうたわれるアンリ・ジャイエのワインに感銘を受けて、1979年にオーストラリアの南東部にあるギップスランドでシャルドネとピノノワールの生産を開始したワイナリーです。

私は以前オーストラリアに住んでいたことがありましたが、その時はうかがうことができませんでした。

今回は旅行前から入念に準備をして、ようやく訪問が実現しました。

 

バスフィリップ|ブルゴーニュワインファンを魅了するオーストラリアワイン

オーストラリアのレジェンドが立ち上げたワイナリー


バス・フィリップは私もファンでしたので、訪問前からワクワクしておりました。

それはオーストラリアワイン界で伝説的な人物フィリップ・ジョーンズ氏が立ち上げたワイナリーだからです。

オーストラリアワインに限らずブルゴーニュワイン好きの中にもファンの多い生産者です。

 

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バス・フィリップは、ヴィクトリア州の南東に位置するちょっとマイナーな産地、南ギップスランドにあります。

ヴィクトリア州の都市メルボルンの中心地から車で2時間ほどかかる場所。

私の滞在場所からは3時間かかりましたので、バス・フィリップ1軒伺うのが精一杯でした。

 

オーストラリアの広大を改めて感じる

話はオーストラリアの広さになりますが、私が今回滞在したヴィクトリア州(オーストラリア南東)はオーストラリアの中で6番目に広い州です。

ですが、普通はオーストラリアの6番目といってもよくわからないですよね。どのぐらいの広さかご存じですか?

 

正解は約2800㎢。日本の本州がすっぽり入る広さになります。

北海道でさえ兵庫県から千葉県ぐらいまでの広さですから、その広大さが伺えます。

 

そのためヴィクトリア州にはいくつかワイン産地がありますが、それぞれ気候が違います。

ヴィクトリア州に初めてブドウが植えられたことでも有名なヤラ・ヴァレーはメルボルンの中心地から車で約1時間ぐらいの内陸になり、日中は暖かく、朝夜は涼しく、乾燥地。

 

バス・フィリップのある南ギップスランドは海にほどなく近く海洋性のような温かさは感じませんが、伺ったときは終始柔らかい風を感じました。そして雨が多め、オーストラリアでは珍しく灌漑の必要がない場所です。

 

レジェンドから引き継いだ人物とは!?

さて、バス・フィリップの話に戻りますが

現在、バス・フィリップにはレジェンド「フィリップ・ジョーンズ」氏の姿は残念ながらありません。

高年齢のため2020年のヴィンテージを最後に引退され、多くのファンがショックを受けていました。

ただ、その後継者としてフィリップ氏が選んだのが、熱狂的なファンの多いブルゴーニュ生産者ジャン・マリー・フーリエ氏です!

私は、フーリエ氏が受け継いだ後バス・フィリップはどのようなスタイルを目指していくのか、アイテムはどうするのかなど気になることがたくさんありました。

 

バス・フィリップのチーム

訪問時、私を迎えてくれたのはスキップ(アダムス)さん。彼はフーリエの奥さんの妹の旦那さんです。

もともとオーストラリアのアデレードに住んでいましたが、フーリエからバス・フィリップの話を投げかけられ、思い切ってこのギップスランドへ移住したそうです。

その後は、バス・フィリップに2002年よりずっと携わり、この地の畑を熟知してるミック氏とフーリエに手取り足取り教わりながら、今のバス・フィリップを運営しています。

ちょうど私の訪問時もフーリエのチームがフランスへ戻るところでした。2週間前にはジャン・マリー・フーリエさんもいらしていたようです。

 

ブドウ畑は、現在カルデラという地域の既にブドウ畑として存在していたところを2022年に購入し、バス・フィリップのメイン畑のあるレオンガサ、レオンガサ・サウスの3か所で栽培を行っています。

この3か所は15km圏内にあるため畑の管理もしやすいとのことでした。

カルデラにはワイナリーも今建設中らしいですよ。完成が楽しみです!

 

アイテム数は若干減らし、シャルドネはエステートとプレミアム。ピノ・ノワールはエステート、プレミアム、リザーブの3アイテムに集中していく予定。

そして、スタイルは樽の影響の少ないワインにシフトしていき、基本的に樽熟1年瓶熟1年しての出荷をしていくようです。

 

今回、シャルドネは樽熟中のワインをピノ・ノワールはステンレスタンクからのワインを試飲させてもらいました。

シャルドネは若干閉じ気味で分かり難かったですが、エネルギッシュさとエレガントを備えたスタイルです。

ピノ・ノワールは香りからしてレベルの高さを感じるほどの熟度の高いフルーツの香りを華やかに感じました。

味わいもアタックは柔らかいながら力強く、ジューシーで旨味を伴う果実味を豊かに感じました。余韻もとても長く、思わず唸ってしまいました。

 

やはりフーリエはすごい!

バス・フィリップはレジェンドがいなくてもチームで素晴らしいワインを造り続けています。

そして今後が益々楽しみでならなりませんでした。

 

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